トウナイ ルリコ
TONAI, Ruriko 東内 瑠里子 教育・心理学部 子ども発達学科 准教授 |
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発表年月日 | 2016/05/07 |
発表テーマ | ファミリー・サポート・センター事業におけるアドバイザーの専門性 |
主催者 | 日本保育学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 東京学芸大学 |
概要 | アドバイザーの専門性は、次の5つのカテゴリと、そのための2つの条件整備として整理することができる。
1つは、【家族の抱えている子育て問題解決の方向性の見極めとより良い調整機能】である。さらにその中には、より専門性の高い相談援助技術、子どもの特性の見極め、利用会員の子育て観を尊重する力が必要になってくる。 2つに、【提供会員である住民の力量形成および力量の見極め】がある。そのために、会員とのコミュニケーションと信頼関係、刻々と変化する提供会員の状況の的確な把握、提供会員のもっている力・意欲をいかす、専門家集団ではない良さを生かす、ことが必要となる。その前提には、打ち解けやすく理解しやすい講習内容づくりの力量が必要となってくる。 3つに、【子育て支援組織の構造的把握とネットワーク化】がある。地域での生活感覚を生かし、地域の中のさらに細かい地域区分の中でどのような子育て支援が行えるのか考える力や、保育制度の変化による支援の隙間の変化への対応、そしてより良い子育て支援の資源が選択できるような情報発信の力が必要になってくる。本事業は、連携の中でこそ、その良さが発揮されるのである。 4つに、個人対個人の支援という本事業の特殊性から【十分なリスクマネジメント力】が必要となっている。 5つに、【子どもの権利】を常に尊重することである。提供会員の力によって、子育てを支援することが、子どもの権利を守ることにつながるよう、子どもの気持ちに寄り添った援助活動が求められている。 そして、最後に、これらの専門性を培う条件として【他市町村との交流・研修・自己研鑽】【経験を生かせる安定雇用】があげられる。 最後に、アドバイザーの専門性には、以上の共通項と、先述したとおり、各地域の支援構造の違いや住民意識の違い、委託の有無、委託先の違いなどによる専門性の違いが存在することも、考慮する必要がある。 掲載誌:日本保育学会要旨集 |