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ナカオ アヤ
NAKAO, Aya 中尾 綾 スポーツ科学部 スポーツ科学科 講師 |
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| 言語種別 | 日本語 |
| 発行・発表の年月 | 2018/10 |
| 形態種別 | その他(論文) |
| 査読 | 査読あり |
| 標題 | スポーツ動作における運動時間と正確性の関係
-バスケットボール3ポイントショットによる検討- |
| 執筆形態 | 共同 |
| 掲載誌名 | コーチング学研究 |
| 掲載区分 | 国内 |
| 巻・号・頁 | 32(1) |
| 著者・共著者 | ◎中尾 綾
橋本泰裕 山田憲政 |
| 概要 | 本研究の目的は,バスケットボール競技の3ポイントショットを題材として,スポーツ動作における運動時間と正確性の関係を調べることである.熟練した大学女子バスケットボール選手は,通常のショット時間,短いショット時間,長いショット時間の3種類の時間条件のもと,連続して3ポイントショットを行った.バスケットボール経験者によってタイマーの音に合わせて一定の時間間隔でパスを出し,被験者はキャッチしショットを行った.各試技20本を1セットとして5セットを実施した.測定項目は,ショット成功率・ショット時間構造・ショット動作のばらつきとした.
ショット成功率は短いショット時間において,他の条件よりも有意に低かった.さらに,ショット時間の短縮とともに,準備時間が主に減少していることが明らかとなった.このことから,熟練したバスケットボール選手は,長年の経験によってショット動作時間が確立されており,時間的制約の影響を受けるのは準備時間のみであることが分かった.この結果は,準備に必要な時間の有無がショットパフォーマンスに大きく影響していることを意味する.動作のばらつきは,最も短い時間条件において他の条件より有意に大きかった.このことから,ショット成功率の低下とばらつきの増加が深く関連していることが分かり,ショット動作の安定性がパフォーマンス向上のための重要な要因の一つであると示唆された. 以上のことから,スポーツ動作には運動時間と正確性の関係が単純にトレードオフ関係にあるとはいえず,最適な運動時間があると考えられる. |