キマタ カズミ   KIMATA, Kazumi
  木全 和巳
社会福祉学部 社会福祉学科
教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2024/03
形態種別 大学研究所等紀要(論文)
標題 機能しょうがいのある人たちと「意思決定支援」の課題(1)
  「障害者権利条約」「日本の報告に関する総括所見」(2022)
「『本人最善の利益』という用語の使用」という懸念事項と関連させつつ,
改めて「意思決定支援ガイドライン」(2017)の評価を見直すために
執筆形態 単独
掲載誌名 『日本福祉大学社会福祉論集』
掲載区分国内
巻・号・頁 (第 150 号),27-53頁
概要 2022 年 9 月,国連の障害者権利委員会は,「日本の報告に関する総括所見」を公表し
た.この所見の懸念事項の一つとして「2017 年の「障害福祉サービス等の提供に係る
意思決定支援ガイドライン」における「本人の最善の利益」という用語の使用」が指摘
された.この指摘は,「一般的意見第 1 号(2014 年)「12 条;法律の前における平等な
承認」」に記載されている「「最善の利益」の原則は,成人に関しては,第 12 条に基づ
く保護措置ではない.障害のある人による,他の者との平等を基礎とした法的能力の権
利の享有を確保するには,「意思と選好」のパラダイムが「最善の利益」のパラダイム
に取ってかわらなければならない」という文言とこれを受けとめた日本障害フォーラム
(JDF)によるパラレルレポートの見解を反映させたものである.この研究ノートでは,
ソーシャルワーク実践の視点から,権利委員会によるこの懸念事項について,「パラダ
イム」概念の使用について検討を加えつつ,①どのような経過で曖昧ともいえるこの一
文が挿入されたのか? ②この一文の挿入をどう理解すれば良いのか? ③そもそも
「最善の利益」を含む「意思決定支援ガイドライン」をどう評価すべきか? という問
いに対して答えを導き出すことを目的として作成した