ナガエ ミヨコ   NAGAE, Miyoko
  長江 美代子
看護学部 看護学科
教授
発表年月日 2017/06/10
発表テーマ 性暴力被害女性4名のPost Traumatic Stress Disorder(PTSD)に対する Prolonged Exposure Therapy(PE)実施後のPTSD再燃に関する考察
発表学会名 第16回日本トラウマティック・ストレス学会
主催者 日本トラウマティック・ストレス学会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
開催地名 東京、有明
発表者・共同発表者 長江美代子、服部希恵、石田ユミ、坂本理恵
概要 目的:本研究では、性暴力被害女性のPTSDに対するPE(持続エクスポージャー)療法実施後のフォローアップにおいて、PTSD再燃ケースと完治ケースを比較分析した。
方法:性暴力被害によるPTSD女性4名(36~54歳)を対象にPEを実施し、最終セッション終了後1、3、6、12カ月フォローアップ(以下FU)で経過を観察した。研究期間:2014.4~現在。測定尺度:PTSD臨床診断面接尺度(CAPS)のほか、PTSD症状や抑うつ・不安、解離について測定する自記式質問紙を用いた。個人面接(60分~90分)を実施した。
結果: 2事例(A,B)はPE前/後のCAPSが54/12と106/16と改善しPTSD完治し予後は良好。PTSD再燃2事例(C,D)は97/40と123/26で軽度PTSDだった。 C氏は、1か月FUからうつ症状が悪化した。5歳頃の父親からの性虐待を思い出していた。父親の癌宣告や母子寮生活のストレスでうつが悪化した。D氏は、1か月FUから、音・臭い・味など感覚過敏でうつが悪化した。血液・画像検査結果は正常だった。生活に支障が表われ入院となった。加害者訴訟の件で弁護士と面接した際の精神的ダメージがかなり強かったことが確認された。
考察:PTSD再燃事例は、共通してPE終了時に軽度PTSD診断がついていた。脆弱な状態にかかったストレスの負荷が引き金になった可能性が示唆された。軽度であってもPTSD診断が確認される場合は、長期にわたってPTSD症状に心身ともに耐えてきた状況を考慮し、継続ケアと慎重なフォローアップが必要であり、連携した生活支援も必須となる。