ヤマナカ タケヒコ   YAMANAKA, Takehiko
  山中 武彦
健康科学部 リハビリテーション学科
教授
発表年月日 2016/10/28
発表テーマ 頸髄損傷による重度四肢麻痺者に対する専門的在宅ケアサービスの効果
発表学会名 リハビリテーション・ケア合同研究大会 茨城 2016
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 川村享平 加藤志保 石井文康 池場竣也 小池大輝
概要 【はじめに】重度四肢麻痺を呈する頸髄損傷者(以下,頚損者)は,社会参加の手段や方法に関する支援が不十分で無為自閉的な生活をしている方が少なくない。今回,頚損者への専門的訪問リハビリ事業により2名の重度四肢麻痺者に介入した.【事例供覧】事例A,50歳代男性。 5年前に受傷し,障害者支援施設に長期入所していた。事例B,20歳代男性。8年前に受傷し,退院後は自宅で家族と暮らしていた。両者ともに頸髄損傷(C4残存機能レベル)でADLは全介助である。事例Aは施設では制約されているパソコンの利用や音楽鑑賞,事例Bはマンパワー的に脆弱な家族介護では果たせないきめ細やかな介護の供給,両者に共通して入浴回数と外出機会を増やしたいという希望が見られた。X年Y月,両者は当該事業の拠点地域に転居し,単身独居の状態でサービスを受けることとなった。【経過】両者に対し,専門的な看護・介護サービスの提供とリハビリテーション介入を進めた。両事例ともに入浴回数を増やし定期的な外出機会を設けるケアプランを作成し実行した。また,情報通信機器や環境制御装置を整備し,常時自由にパソコン操作や音楽鑑賞ができるよう整えた。介入前後の客観的評価から両者ともにQOLに改善がみられ,事例Bには加えて精神心理面の改善もみられた。【まとめ】当該事業は端緒に就いたばかりであり,今後は頸髄損傷者の社会参加機会の創出に向けた展開が期待される。