ナカジマ マサハル   NAKAJIMA, Masaharu
  中島 真治
健康科学部 リハビリテーション学科
助教
発表年月日 2023/09
発表テーマ 低侵襲心臓手術後の身体機能と座位時間の関連について
発表学会名 第7回日本循環器理学療法学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 中島真治,山本将大,阿部司,松山克彦,森沢知之,尾川貴洋
概要 【はじめに】医療技術の進歩により低侵襲心臓手術(MICS: minimally invasive cardiac surgery)は増加傾向である.しかし,MICS後の患者の身体機能が入院中の座位時間(SB: sedentary behavior)にどのような影響を及ぼすかは明らかでない.本研究はMICS後患者の身体機能が入院中の座位時間に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象は2020年7月から2022年11月までに本病院へ入院し,MICSを施行した弁膜症患者26名(71.0[63-74.8]歳,男性57.7%)とした.調査項目はカルテより基本情報, 周術期臨床データを調査した.身体機能評価は術前と退院時にSPPB(Short Physical Performance Battery)を測定した.SBは三軸加速度計(Active style PRO HJA-750C)を用いて1.5Mets以下の時間と定義した.SBは手術前と手術後の歩行自立日翌日から,就寝時と入浴時以外の時間で連日計測した.手術前から退院時までにSBが減少した群をSB減少群,SBが減少していない群を非SB減少群に分類した.解析はMann–WhitneyのU検定を用いて2群間比較を行い,SB減少群か非SB減少群かを従属変数,退院時SPPBを独立変数としてROC曲線, カットオフ値を算出した.全ての検定は統計ソフトSPSSstatistics27.0を使用し,統計学的有意水準は5%未満とした.
【結果】SB減少群は57.7%(15名),非SB減少群は42.3%(11名)であった.SB減少群は非SB減少群に比べて,退院前SPPBが有意に高値であった(12.0[12.0-12.0]点vs 11.0[12.0-10.0]点, p<0.05).ROC曲線からAUCは0.74(95%信頼区間: 0.53~0.95)であり,カットオフ値は11.5点(感度0.87%,特異度0.46%)であった.
【考察】MICS後の患者は退院時のSPPBから歩行自立後の入院時SBを検討できることが明らかとなった.退院時SPPBが11.5点以下になると入院中のSBが減少していないことが明らかとなったため,退院後にSBが減少するような指導を行う必要があることが示唆された.
【はじめに】医療技術の進歩により低侵襲心臓手術(MICS: minimally invasive cardiac surgery)は増加傾向である.しかし,MICS後の患者の身体機能が入院中の座位時間(SB: sedentary behavior)にどのような影響を及ぼすかは明らかでない.本研究はMICS後患者の身体機能が入院中の座位時間に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象は2020年7月から2022年11月までに本病院へ入院し,MICSを施行した弁膜症患者26名(71.0[63-74.8]歳,男性57.7%)とした.調査項目はカルテより基本情報, 周術期臨床データを調査した.身体機能評価は術前と退院時にSPPB(Short Physical Performance Battery)を測定した.SBは三軸加速度計(Active style PRO HJA-750C)を用いて1.5Mets以下の時間と定義した.SBは手術前と手術後の歩行自立日翌日から,就寝時と入浴時以外の時間で連日計測した.手術前から退院時までにSBが減少した群をSB減少群,SBが減少していない群を非SB減少群に分類した.解析はMann–WhitneyのU検定を用いて2群間比較を行い,SB減少群か非SB減少群かを従属変数,退院時SPPBを独立変数としてROC曲線, カットオフ値を算出した.全ての検定は統計ソフトSPSSstatistics27.0を使用し,統計学的有意水準は5%未満とした.
【結果】SB減少群は57.7%(15名),非SB減少群は42.3%(11名)であった.SB減少群は非SB減少群に比べて,退院前SPPBが有意に高値であった(12.0[12.0-12.0]点vs 11.0[12.0-10.0]点, p<0.05).ROC曲線からAUCは0.74(95%信頼区間: 0.53~0.95)であり,カットオフ値は11.5点(感度0.87%,特異度0.46%)であった.
【考察】MICS後の患者は退院時のSPPBから歩行自立後の入院時SBを検討できることが明らかとなった.退院時SPPBが11.5点以下になると入院中のSBが減少していないことが明らかとなったため,退院後にSBが減少するような指導を行う必要があることが示唆された.