ナカジマ マサハル   NAKAJIMA, Masaharu
  中島 真治
健康科学部 リハビリテーション学科
助教
発表年月日 2022/04
発表テーマ 左大腿骨転子部骨折受傷後に重度の大動脈弁狭窄症を 指摘され,TAVI 及び骨接合術を施行された 1 症例
発表学会名 第30回 愛知県理学療法学術大会
学会区分 地方学会
発表形式 口頭(招待・特別)
単独共同区分 共同
開催期間 2022/04/23~2022/04/24
発表者・共同発表者 小栗 陽花, 阿部 司, 中島 真治, 山本 将大, 松本 京子, 岸川 典明, 橋詰 玉枝子, 木村 伸也
概要 【はじめに】
大腿骨転子部骨折受傷後,術前検査で大動脈弁狭窄症を指摘.
Transcatheter Aortic Valve Implantation(TAVI)と骨接合術を施
行された症例について報告する.
【症例紹介】
90 歳代女性,長男夫婦と 3 人暮らし.受傷前 Barthel Index70 点,
屋内歩行 T 字杖で自立,Clinical Frailty Scale 4,要介護 3.X 日,
自宅で転倒し左大腿骨転子部骨折と診断.術前検査で大動脈弁
口面積 0.45cm の重度大動脈弁狭窄症を指摘.X + 2 日,TAVI
および骨接合術のため当院へ転院.X + 7 日,TAVI 施行.X +
8 日に左深腓骨神経麻痺発症,左前脛骨筋 MMT1.X + 19 日,
左大腿骨転子部骨折に対して骨接合術施行.X + 33 日,リハビ
リテーション継続のため他院へ転院.
【経過】
X + 6 日,術前評価は HDS‐R 19 点,握力は右 9.0kg 左 8.6kg.
X + 8 日から理学療法再開.バイタルサインと心電図を確認し
ながら,ボルグ指数が 11 ~ 13 の範囲で健側下肢を中心とした
ベッド上での運動を実施.また,同日から神経筋電気刺激療法
を開始.X + 20 日から車いす移乗,X + 21 日から短下肢装具
を使用し平行棒内歩行を開始.退院時 Barthel Index55 点,HDS
‐ R19 点,握力は右 10.2kg 左 8.9kg.歩行は,短下肢装具を
使用し歩行器で連続 30m 可能となった.
【考察】
大動脈弁狭窄症の潜在患者数は,75 歳以上で 13.1% といわれ
ており,多くはフレイルを合併していると報告されている.本
症例もフレイルを合併し,術後に深腓骨神経麻痺も発症したが,
退院時に歩行器歩行が可能となった.その理由として,TAVI 翌
日からバイタルサインと心電図の確認を行いながら,運動療法
と神経筋電気刺激療法を実施した結果と考える.また,骨接合
術後も同様の確認に加え,疼痛コントロールを行い速やかに車
いす移乗,歩行訓練を行ったことで歩行器歩行の獲得に至った
と考える.
【倫理的配慮】
発表について書面で説明を行い同意を得た