アサイ ユウジ   ASAI, Yuji
  浅井 友詞
健康科学部 リハビリテーション学科
教授
発表年月日 2024/06/13
発表テーマ 前庭リハビリテーションの効果に対するDHIおよびFGA,HADSからの検討
発表学会名 第61回日本リハビリテーション医学会学術集会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 浅井友詞,川村 愛実,堀場充哉,村上里奈,植木美乃
概要 慢性めまい患者に対する前庭リハビリテーション(VR)に対して理学療法士(PT)が介入する有効性にてDHIを基にFGAおよびHADSのとの関係因子について検討する。慢性めまい患者女性15名(年齢67.0±14.5歳),罹患期間3.1±3.0年に対し,3ヵ月間 PT介入によるVRを実施した。VRはGaze stability exercise,Habituation exercise,Substitution exerciseとした。めまい症状はDHI,FGA,HADSにて評価した。また, DHIにおいては,18点以上の減少を「有意な改善」,14点以下を「機能障害なし」としどちらか一方に当てはまる群を改善群,当てはまらない群を非改善群とし, FGA,HADSとの検討を行った。DHIは,VR前が44.9±9.5点,3ヵ月が20.6±14.8点でVR前に対して有意に改善を認めた(p < 0.05)。しかし,3ヵ月後15例中7例(平均6.6±5.0点)は改善群であったが,8例は非改善群(33±8.2点)であった。FGAではVR前が23.0±3.3点,3ヶ月後が26.6±1.9点で有意な改善を認めたが,DHIの改善群で27.1±1.6点,非改善例で26.1±2.0点となり,非改善群がやや低値を示した。さらにHADSでも有意な改善を認めたが,改善群で3.1±4.5点,非改善群で13.3±5.7点となり,3ヵ月後の改善群と非改善群では非改善群が有意に高値を示した(p < 0.05)。慢性めまい患者に対するPTの介入で,DHIによるめまい症状の改善を認めた。しかし,15名中8名が非改善群であったが,FGAでは有意な改善がみられ歩行をはじめ移動動作が獲得でき,QOLの向上につながったと考えられる。非改善群はHADSの改善度が低く,罹病期間の長期化がめまい症状への不安が影響したと推測される。