シバ クニヨ
SHIBA, Kuniyo 柴 邦代 看護学部 看護学科 教授 |
|
発表年月日 | 2024/07/06 |
発表テーマ | 乳幼児との非言語的コミュニケーションにおける「解読力」評価指標の開発 |
発表学会名 | 一般社団法人日本小児看護学会第34回学術集会 |
主催者 | 一般社団法人日本小児看護学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 大阪 |
開催期間 | 2024/07/06~2024/07/07 |
発表者・共同発表者 | 柴邦代、山口桂子、足立菜穂 |
概要 | 【目的】看護学生の言語発達が未熟な乳幼児とのコミュニケーションで求められる対児コミュニケーション・スキルにおける「解読力」を評価するための指標を開発する。
【方法】小児看護学教育の専門家である看護系大学に所属する小児看護学領域の教授・准教授・講師を対象として、郵送による無記名自記式質問紙調査を実施した。評価指標として設定した内容項目は、乳幼児が発する非言語的サインについて「そこに込められた子どもの思いや欲求に気づくことができる」「そこから非言語的メッセージを推測することができる」「その推測が正しいか確認する行動を実行できる」「確認行動への子どもの反応から推測の妥当性を判断できる」の4項目(4過程)で、その過程について、看護学生の「解読力」との関連性の有無、評価指標としての適切性の程度を質問した。さらには、場面(保育園・外来・病棟)と子どもの年齢(6か月・2歳)から設定した、コミュニケーションを要する“状況”においても、上記と同様の項目設定をすることが「解読力」の評価指標として適切であるかについても質問した。質問はいずれも4段階評定で回答を求めた。 分析方法:4段階評定の4(関連がある/適切である)または3(やや関連がある/やや適切である)と回答した割合を項目毎に計算してCVI at the item level(以下、I-CVI)を算出、さらに、指標全体のⅠ-CVIの平均値Scales’Content Index(以下、S-CVI)も算出した。妥当性の基準は、Polit,D.F.et al(2007)の推奨するI-CVIは0.78以上,S-CVIは0.90以上とした。 倫理的配慮:研究代表者が所属する施設の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。申告すべき利益相反はない。【結果】13名の小児看護学教育の専門家からのデータを集計した(有効回答率92.9%)。 「解読力」との関連性に関する項目、および、評価指標としての適切性に関する項目のI-CVI・S-CVIはいずれも基準を満たし、内容妥当性が検証された。場面と子どもの年齢を設定した「解読力」に関する項目の適切性の項目では、保育園・外来での項目は6ヶ月・2歳ともにI-CVI・S-CVIの基準をみたしたが、病棟での項目では6ヶ月・2歳ともにI-CVI・S-CVIの基準をみたさなかった。 【考察】場面と子どもの年齢を設定した「解読力」に関する項目の適切性が基準を満たさなかった理由としては、病棟での場面における非言語的サインの解読には、保育園や外来での場面より多様な条件が影響する可能性があり、設定した項目のみで評価することに賛同が得られなかったと考えられる。この点を考慮して、項目内容を再考する必要がある。 |