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コダマ ユウ
KODAMA, Yu 兒玉 友 スポーツ科学部 スポーツ科学科 准教授 |
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| 発表年月日 | 2025/08/28 |
| 発表テーマ | 持続可能な「生涯スポーツ」社会実現とSDGs達成の親和性を考える |
| 発表学会名 | 日本体育・スポーツ・健康学会第75回大会 テーマ別シンポジウム 生涯スポーツ |
| 学会区分 | 全国学会 |
| 発表形式 | シンポジウム・ワークショップ パネル(指名) |
| 単独共同区分 | 共同 |
| 開催地名 | 日本体育大学 東京・世田谷キャンパス |
| 発表者・共同発表者 | 兒玉友、海老島均、松井陽子、彦次佳、勝田隆 |
| 概要 | ーパラアスリート育成と地域資源ー 東京2020パラリンピック競技大会は、障害者スポーツへの社会的関心を高め、「誰もが個々の力を発揮できる社会」の実現という理念を可視化する契機となった。しかし、障害のある人にとって、こうしたレガシーを活かした持続可能な「生涯スポーツ」環境は、いまだ十分に整っているとは言い難い。本発表では、パラアスリートのパスウェイを軸に、障害のある人が生涯にわたりスポーツに関わり続けるための条件や環境整備について、スポーツ実施における促進要因・阻害要因を含む具体的事例を交えながら検討する。特に、学校、スポーツセンター、自治体、民間団体など、既存の地域リソースを活用した団体間の連携により、選手の発掘・育成から競技力向上までを支える仕組みが構築されつつある現状を紹介する。新たな制度や施設を設けるのではなく、既存資源をつなぎ直すことこそが、持続可能な推進体制の鍵となる。こうした地域連携は、競技の普及と強化、さらには誰もがスポーツにアクセスできる社会基盤の整備に寄与すると同時に、トップアスリートの育成にも資するものといえる。地域で育った選手が全国や国際大会で活躍することは、障害のある人のスポーツ参加においてロールモデルとなり、当事者や周囲の意識を変える契機となる。また、競技を継続する上で鍵を握るのが、アスリートを取り巻く関係者である「アントラージュ」の存在である。本人の意欲や能力だけでなく、家族や指導者、医療・福祉・教育機関との連携を含む支援体制が、競技継続やキャリア形成に深く関わる。さらに、セカンドキャリアまでを見据えた中長期的な支援のロードマップを描くことが、スポーツ参加の質を高める上で不可欠である。本発表では、既存資源を活かした連携体制の構築、支援環境の整備、促進・阻害要因への対応といった観点から、障害者スポーツを軸とした持続可能なスポーツ社会のあり方について議論を深める機会としたい。 |