ナカジマ マサハル
NAKAJIMA, Masaharu 中島 真治 健康科学部 リハビリテーション学科 助教 |
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発表年月日 | 2022/04 |
発表テーマ | 低侵襲心臓外科手術と正中切開手術の強度別入院期身体活動量に関する検討 |
発表学会名 | 第30回 愛知県理学療法学術大会 |
学会区分 | 地方学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
国名 | 日本 |
開催期間 | 2022/04/23~2022/04/24 |
発表者・共同発表者 | 山本 将大, 中島 真治, 阿部 司, 小栗 陽花, 松本 京子, 岸川 典明, 松山 克彦, 木村 伸也 |
概要 | 【目的】
心疾患患者の身体活動量(Physical Activity : PA)は冠危険因子 の是正や予後と関連し,近年は中 - 高強度身体活動量の拡大が 障害予防の観点で注目されている.また胸部外科術では低侵襲 心臓外科手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery:MICS)に おいて,正中切開と比較し PA が維持されるとの報告があるが, 強度別に分析した報告は少ない.本研究の目的は MICS と正中 切開患者の PA 強度を比較し違いを明らかにすることとした. 【方法】 対象は当院で待機的に胸部外科術を実施した 98 例中,透析患者 を除外した 86 例とし,MICS と正中切開に分類した. PA は 3 軸加速度計(Active style Pro,OMRON)で測定し,術前と退 院前 3 日間の座位時間,低強度身体活動時間,中 - 高強度身体 活動時間,歩数の平均値を解析した.カルテから基本情報と術 中所見,離床経過を収集した.解析は対応のない t 検定または Mann-Whitney の U 検定を行い,有意水準は 5% 未満とした. 【結果】 データ欠損例を除外し MICS 21 例,正中切開 23 例を解析した. 術中所見は MICS で出血量が有意に少なかった(MICS : 150ml ± 204 vs 正中切開 : 535ml ± 876,p < 0.001).離床経過は 100m 歩行自立までの日数が MICS で有意に短かった(MICS : 3.5 日 ± 1.6 vs 正中切開 : 5.2 日 ± 2.4,p < 0.01).術前 PA に有意 差はなかったが,退院前 PA は MICS で座位時間が有意に短く (MICS : 678 分 ± 71 vs 正中切開 : 761 分 ± 143,p < 0.05),中 - 高強度身体活動時間が有意に長かった(MICS : 25 分 ± 12 vs 正中切開 : 17 分 ± 8,p < 0.01). 【考察】 MICS は侵襲が少なく早期に歩行が自立し,PA の維持に繋がっ たと考える.しかし地域在住高齢者の PA(座位時間 517 分,中 - 高強度身体活動時間 45 分)と比較すると MICS と正中切開と もに退院前 PA は低かった.よって PA 維持にはリハ時間以外の 活動の促しも重要だと考えられ,病棟との連携強化や自己訓練 の実施と確認が必要だと考える. 【結論】 MICS は正中切開と比較し退院前 PA 強度が高い. 【倫理的配慮】 愛知医科大学医学部倫理委員会の承認を得た(承認番号:18- H114 番 |