タナカ マサヒロ   TANAKA, Masahiro
  田中 将裕
健康科学部 リハビリテーション学科
助教
発表年月日 2023/10
発表テーマ 重心動揺解析システムを用いた座位バランス能力評価の絶対信頼性の検討.
発表学会名 第17回日本作業療法研究学会学術大会
主催者 日本作業療法研究学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 愛知県名古屋市
開催期間 2023/10/21~2023/10/22
発表者・共同発表者 田中将裕,野間知一
概要 定量的かつ詳細な座位バランス能力の評価法は少なく,臨床においては観察による評価が主体となっている現状がある.今回,若年健常成人を対象に重心動揺解析システムを用いた座位バランス能力評価法として,座位安定性限界面積と座位Index of Postural Stability(IPS)を検討し,その絶対信頼性と最少可検変化量(MDC95)を検証することとした.
座位安定性限界面積と座位IPSをそれぞれ2回測定し,相対信頼性を検者内級内相関係数ICC(1, 2)とその95%信頼区間(CI)を用いて検討した.絶対信頼性は,Bland-Altman分析により,誤差の有無,種類,範囲を検討した.系統誤差がないことが示された場合, MDC95を算出した.
座位安定性限界面積の平均値は,1回目581.31±159.54㎠,2回目578.21±164.16㎠であり,ICC(1,2)= 0.99,95%CI[0.986-0.998]であった.加算誤差,比例誤差は無く,MDC95 = 34.65㎠と算出された.座位IPSの平均値は,1回目3.34±0.14,2回目3.35±0.15であり,ICC(1,2)= 0.93,95%CI[0.839-0.973]であった.加算誤差,比例誤差は無く,MDC95 = 0.10と算出された.
座位安定性限界面積およびIPSの検者内ICC(1,2)は,ともに0.9以上であり,相対信頼性が高いことが示された.Bland-Altman分析により加算誤差,比例誤差が否定され,両者は絶対信頼性の高い評価指標であることが示された.MDC95はそれぞれ34.65,0.10と算出され,同値以下であれば測定誤差であり,それ以上であれば「真の変化」であることが示された.