コバヤシ マユミ
KOBAYASHI, Mayumi 小林 眞弓 全学教育センター 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2022/03 |
形態種別 | その他(論文) |
標題 | スクールソーシャルワーカーによるアウトリーチ実践についての研究
~見えない課題を可視化するシステム構築に向けて~ |
執筆形態 | 単独 |
掲載区分 | 国内 |
概要 | 本論文は、スクールソーシャルワーカー(以下SSWer)およびSSWerと協働経験のある教員へのインタビュー調査を行い,教員の家庭訪問などの指導だけでは解決の見通しの立たない複合的な問題を抱える児童・生徒に対して,SSWerのアウトリーチ実践の意義と効用および必要な力を明らかにする.これにより,SSWerの今後の質の向上および,SSWer養成教育への可能性の示唆を期待するものである.結論として,SSWerのアウトリーチ実践は,①ヴァルネラブルな子どもへの働きかけであり、問題を抱える子どもを可視化し,支援ネットワークにつなげる働きかけであり,教員のSSWerの職種理解を促す役割を持つ,また,学校ののりしろを広げる役割があることが分かった.②アウトリーチ実践に必要な力は,ハブ機能や調整役になれるコミュニケーション力,臨機応変さ,柔軟さなどであり,ソーシャルワークの基盤となるものであった.③アウトリーチ実践によってもたらされるものは,教育委員会の雇用形態の変化や,職業モデルとなるものであった.④SSWerの配置後に教職に就いた若い教員にとっては,SSWerなどの専門職と協働することが当然と理解されていることが分かり,今後の連携協働に希望を持てるものであった.校内チーム体制が確立され,よりスムーズに教職員と他専門職の協働が進めば,子どもの問題の可視化が進み,より予防的に子どもたちの問題に対処していける基盤が確立されると考えられる.そのためには,教員養成の段階から他職種への理解促進と連携に関する学びを導入することでより,効果的な支援を生み出す可能性が示唆された. |