アサイ ユウジ
ASAI, Yuji 浅井 友詞 健康科学部 リハビリテーション学科 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2018/06 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 頚髄不全損傷患者の慢性腰痛に対し薬物療法と
運動療法併用により改善した一症例 * |
執筆形態 | 共同 |
掲載誌名 | 愛知県理学療法学会誌 第 30 巻 第 1 号 2018 年 6 月 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 30(1),53-58頁 |
担当区分 | 責任著者 |
概要 | 頚髄不全損傷後に慢性腰痛をきたした症例に対し,疼痛の変化に合わせた薬物療法と同時に理学療法を介入し,効果を得た症例を経験したので紹介する.症例は,要介護4の60歳代後半の女性である.受傷8か月後より機能訓練特化型通所介護を利用開始し,住宅環境との適合や日常生活動作 (Activity daily living; 以下,ADL) 練習をした.ホームエクササイズ指導のため受傷20か月後より訪問介護Ⅰ 5・2超の併用利用を開始した.腰痛増悪以前は,末梢神経への作用を目的とするロキソプロフェンナトリウム水和物60 mgやプレガバリン75 mgの服薬により,ズキズキとした急性炎症は改善が得られていた.しかし,その後も慢性的な鈍痛を確認したため継続した理学療法を施行していたが,受傷23か月後より腰痛が増悪し,徒手理学療法を集中的に実施したが改善は得られなかった.そこで腰痛増悪に対し,中枢組織に作用するトラマドール塩酸塩25 mgが処方された.その結果,投薬により腰痛が軽減し,運動療法を中心とした理学療
法の介入を併用したことで活動量が増し,トラマドール塩酸塩25 mgの服薬無しでもその機能を維持することが出来た.薬物療法の変化に適した理学療法の介入は治療効果を向上させる上で重要な知見になると考える. |