タナカ マユミ
TANAKA, Mayumi 田中 真由美 国際学部 国際学科 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/12 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | べトナム人日本語学習者における長・短音の習得
アクセントを重視した音声指導の効果について |
執筆形態 | 単独 |
掲載誌名 | 『外国語教育研究』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 外国語教育学会 |
巻・号・頁 | (26),20-38頁 |
概要 | 先行研究によって、ベトナム人日本語学習者にとって日本語の長/短音の習得が困難であること、その難易度は長/短音の場所やアクセントによって異なることが指摘されている。田中(2022)では、長/短音を含むミニマルペアをベトナム人学習者が読み上げた音声を日本語母語話者10名に判定させ、誤聴率が特に高かった音声を音響的に分析したところ、17名のうち15名の音声の高低のアクセントが誤っていたと報告している。
そこで本研究では、アクセント指導を行うことで学習者のアクセントがどう変化するか、またそれにより母語話者の判定はどう変化するのかを検証するため、ベトナム人留学生10名を対象に5回の授業を行った。指導の効果を検証するため、指導前、高低アクセントの説明と簡単な練習の後、5回の授業の後の計3回にわたって読み上げテストを行い、それぞれの母語話者の判定結果を比較した。その結果、アクセントの説明と簡単な練習だけではあまり効果が見られず、音の高低に気を取られるあまり音の長さの制御がおろそかになってしまった例も見られたが、読み練習や発音練習を行うことでアクセントが改善し、母語話者の誤聴率も減少したことが明らかになった。また、アクセント指導の方法については、被験者の意見を聞きながら様々な方法を試したが、事後アンケートの結果、どの方法も賛否両論で絶対的な方法は見つからなかった。 今回の調査の被験者は日本語学習歴が4年以上、日本語レベルはN2以上であったが、「アクセントはいつ学ぶべきか」との質問には全員が「日本語を学び始める時」と回答した。このことから、初級のテキストにはアクセント表記とともに日本語におけるアクセントの重要性の記述を記すこと、また教師も学習者が学び始める時点から様々な方法を用いて積極的に指導する必要性について述べた。 |